取扱鋼材
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SKT4
SKT4は、熱間鍛造用型に使われる材料で、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウムを添加させた鋼材です。工具鋼であるSK材をベースにしたダイス鋼などの合金鋼は、用途からも想像がつく通り、かなり硬度があり摩耗性に優れた素材のため、研磨・研削などの加工をする場合には時間がかかります。
- 用途
- 熱間ダイス、熱間切断刃、ダイカスト用ダイス、ダイブロック etc
- 代表成分
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SKT4は熱間鍛造金型用の合金工具鋼のうち、耐摩耗性とともに不変形性に優れた高炭素、高クロム鋼で、常温での耐摩耗性に特に優れています。 SKT材は別名ダイス鋼とも言われるとおり、線引ダイスのほか、各種抜き型に利用されます。ただ加工しにくく、焼入れ温度が高い材料でもあります。 焼入れ以後は、不変形性に優れたSKS3よりもさらに優れ、低い膨張に抑えることができますので、ゲージ等での利用もあります。
SKT4 C Si Mn P S Ni Cr Mo V 成分値 0.50 ~0.60 0.10 ~0.40 0.60 ~0.90 0.030以下 0.020以下 1.50 ~1.80 0.80 ~1.20 0.35 ~0.55 0.05 ~0.15 - 機械的性質
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JISではSKSが5鋼種、SKDが5鋼種、SKTが3種からなります。 その内、SKT4は、他の熱間工具鋼に比べ低合金であり、高い靭性を有していますが、熱間強度は熱間工具鋼の中では低い材料です。 炭素工具鋼は、0.55~1.5%の炭素を含有し、特別に合金元素を添加しない工具鋼ですが、水冷鋼であり、寸法が大きくなると芯部まで硬さが入らないことがあります。 SKT4の焼きなまし温度、焼きなまし硬度は下表の通りになります。
焼きなまし温度 焼きなまし硬度 740~800徐冷 248以下 - 加工性・特性
- 熱間工具は、被加工材が加熱され、変形抵抗が低くなるので強度要求は低いが、加熱・冷却のヒートサイクルを受けるので割れが発生し易い特徴を持ちます。 JIS規格上では合金工具鋼鋼材であり、SKで始まる記号は32種類とあります。 この32種類は用途別に大きく4つのグループ分け(※)がされており、そのうちの ”冷間金型用” として分類されている記号は10種類、SKT4はそのグループの1種類になります。 炭素工具鋼に高硬度、耐摩耗性を向上させた金型工具等の用途に使用する特殊鋼で用途範囲が広く汎用的に使用されます。ダイス鋼としては比較的入手しやすい材料です。
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