鋼材ブログ

ハンメタ鋼材ブログ

鋼材情報

肉盛の工程管理について

ステライト肉盛の工程管理について

 

先日の記事で、ステライトの様々な材料取りについて記載致しましたが、その中で多くの企業様が採用されているのが、ステライト肉盛だと思います。

 

今回は、そのステライト肉盛における工程管理の大変さについて。

 

バルブメーカーやポンプメーカーの調達担当者様から話を伺うと、やはり、ステライト肉盛は巣やクラックの問題が付き纏います。

 

肉盛巣とは、鋳物巣と同様に、ピンホールと言われる0.1mm程度の小さな穴が肉盛内部に出来ることです。

 

肉盛は溶接棒や粉末を母材に溶かし上げていく技法なので、職人さんでも数%の確率で発生します。0.1mmと小さく内部に発生しているため、削らないと巣は発見できず、ここに工程管理の大変さがあります。

 

例えば、ステライト肉盛を協力会社Aに依頼し、肉盛後の機械加工を協力会社Bに依頼し、加工中に肉盛巣を発見したら、再び協力会社Aに品物を送り返し肉盛し直して、協力会社Bに支給する形を取ります。納期も遅れるし、受け入れて検査をしてと見えない管理コストも発生します。

 

 

弊社では、この肉盛巣問題に対して、協力会社様と協業し、このように提案致します。

 

素材と溶材とを協力会社様に支給し、肉盛前加工〜肉盛〜肉盛後加工を一貫対応して頂くことで、肉盛巣の修正対応が一貫対応可能です。肉盛前後加工図も不要で、肉盛後の断続切削や仕上がり代が取れるように安全を見た分厚めの肉盛も気にする必要がなくなります。

 

また、弊社は素材と溶材(金属粉末)を取り扱っておりますので、素材段階からのコストの最適化を図れます。

 

例えば、ポンプのシャフトスリーブやバルブのシートリングなどはパイプでは無く、丸棒から削り出した方がコスト面で適した材料取りとなります。

 

機械加工をする上でも丸棒の方が真円を取りやすく、取り代をコントロールできるので、加工費も抑えられます。ここに当社の介在価値がございます。

 

ステライト自体がHRC40以上と硬く、削れる機械加工業社様も少ない中、ステライト肉盛という母材に熱影響がある精密機械加工部品は、国内でも対応可能な企業様は限られます。

 

工程管理にお困りの製品がありましたら、お声掛けください。誠心誠意対応致します。

阪神メタリックス